<伝えるスキル(6)>
 〜〜一時停止〜〜

 コーチングでは、相手の話をさえぎらずに最後まで聴くのが基本です。
 ですが、コーチングでも、相手の話の途中で割って入り、話を中断させることがあります。
 どんな時にそうするかと言うと、明らかに相手が話すべきテーマから軌道をはずれ、だらだらと意味のない話に時間を費やしていると、コーチ側が判断した時です。
 たとえば、ただ単に時間を浪費しているだけの愚痴、行動を起こすことから逃避するための言い訳などです。
 時には愚痴を心の中から話すことで、気持ちが浄化されたり、癒やされたりすることがありますので、一概に愚痴を言い出したらだめというのではありません。
 これは直感に頼る部分も大きいのですが、聞いているあなたが、これ以上この話を続けていても、相手に何の益ももたらさないと感じた時に使います。

 「話の途中で失礼ですが、言い訳はここまでにしませんか。」
 「申し訳ないけれど、これ以上、愚痴を続けるのはやめましょう。」
といった具合に、ちょっと断りの枕詞を入れると、一時停止しやすくなります。

 シチュエーションや相手との親密度によってはストレートに
 「ねえ、もうそろそろ次に進んでいきませんか?」
 「ごめんなさい、この話題は、これ以上話しても無益だと思う」
と話を遮ってもいいでしょう。

 時間切れで、話を中断しないといけない時には
 「大変言いにくいのですが、今日は時間がこれ以上とれませんので、次回に聞かせていただけますか?」
 などのように言えるでしょう。

 こんな枕詞を使うと言いでしょう。
 「話の腰を折るようで、申し訳ないのですが、」
 「お話の途中で、すみませんが」

 一時停止をするのは、あくまでも相手のことを考えて、相手の益のためだということは心する必要はあります。