私の訪問診療の患者様で、こんな方がおられます。
 70代の男性で、慢性の疾患のために歩くのが難しくなってきている方です。
 この方は、パチンコが趣味で、今まで頻繁にパチンコに行っておられました。
 体調が比較的いい日にはパチンコに行けていたのですが、ここ数か月は次第にパチンコに行けなくなってきていました。
 パチンコに行くのに、一人では難しいとしても、誰かが付き添えば可能ということでした。
 そこで、しばらく前から、よかったら、こひつじクリニックの職員がパチンコにおともしますよ、と軽く提案はしていました。

 昨日、定期の訪問診療の日だったのですが、うちのクリニックのスタッフの都合が良くて、「今日なら少々長時間でも、パチンコに付き添える」という状況でした。
 診察の中で、あらためて提案したところ、それなら行ってみようかということになりました。

 誰でも、好きなこと、楽しんで打ち込めることであれば、イキイキとがんばれるものです。
 この方も、数時間パチンコをして、この日は6万円勝ったそうです。上機嫌だったそうです。

 こひつじクリニックは、「病気であっても、生きがい、希望、喜びを」をモットーに活動しています。
 患者様が、家にこもりっきりで療養するよりは、できるだけ外に出て、好きなことができるように支援したいと思っています。

 ほかのクリニックでは、あんまり、こんなことはしないのでしょうが、うちでは、一人ひとりの患者様に、たとえささやかなことであっても、喜んでいただけるように、また、生きがいや希望を感じていただけるように、できることをやっていきたいと思っています。