<聖書の中のひどい人たち>

 (その2)と(その3)では聖書の中のすごい人たちと題してノアさんとマリヤさんを紹介しました。
 聖書の中には、こんなすばらしい人たちもたくさん出てくるのですが、その反対のひどい人たちはさらにたくさん出てきます。

 今日はその例としてイエス様を十字架につけろと叫んだ群衆を取り上げます。

 イエスは約2000年前に生まれました。
 30歳の時から、「罪を悔い改めて、神様に立ち返るように」と、各地を巡って、教えを説きました。
 イエスは、特に弱い立場の人、さげすまれている人の友となり、寄り添いました。
 人々はイエスの教え、行動により、神様の力や愛を目のあたりにしました。
 イエスは病人を癒やすなどのたくさんの奇跡も行いました。
 人々は、イエスこそ、救い主、来たるべき王と信じるようになりました。
 イエスの評判は最高潮に達し、群衆から熱狂的に支持されるようになったのです。
 ところが、当時の宗教指導者たちにとっては、イエスはまったく忌まわしい存在でした。
 自分たちの信条や生き方が、イエスから激しく非難されていたからです。
 宗教指導者たちは、イエスを抹殺したいと思っていました。
 ついにイエスは策略により捕らえられ、形ばかりの裁判にかけられました。
 この時、群衆は宗教指導者たちによって煽動されて、「イエスを十字架につけろ」と叫ぶようになっていたのです。
 約1週間前には、イエスを自分たちの王であるかのように熱狂的に支持していたのに、手のひらを返したように、イエスを殺せと叫ぶようになったのです。

 まったくひどい話です。

 病人や苦しんでいる人を癒やしてもらうなど、たくさんのすばらしいこと、良いことをしてもらってきて、喜び、感謝もしてきた相手なのに、宗教指導者たちからのちょっとした煽動、誘導により、「殺せ」と叫ぶようになるのですから。