小松邦志ブログ

小松邦志がふだん考えているいろいろなことを順不同で書きます。  医学、医療のこと、旅行のこと、クリスチャンとして考えていること、趣味のこと、政治のことなどが主な話題になると思います。

<聴くスキル(3)>
 〜〜オウム返し〜〜

 これは、相手の言葉を繰り返すことです。
 たとえば、相手が「今日、とてもうれしいことがありました。」と話してきたら、「うれしいことがあったのですね。」と繰り返します。
 「頭が割れるように痛みます。」と話してきたら、「割れるように痛むのですね。」と繰り返します。

 このように返されると、相手には「私の話を心から聴いてくれている。」という気持ちが起こってきます。
 また、話が途切れずに、より詳しい、深い内容に話が自然に進んでいきます。
 このスキルもぜひ意識して使ってみてください。



<聴くスキル(2)>
 〜〜相づち(あいづち)と頷き(うなずき)〜〜

 なんでもないことのようですが、コーチングでは相づちと頷きを意識して行うことを勧めています。
 相手の話を、ゼロポジションで聴きながら、相手の雰囲気にペーシングしながら、アイコンタクトをしながら、少し大げさ目に相づちをうったり、頷いたりするのです。
 ふだんの会話での相づち、頷きの倍ぐらいの回数になるといいようです。
 こうすることによって、「私はあなたの話をもっと聴きたいのです。」とか「もっともっと話してください。」というメッセージを行動で相手に伝えることになるのです。
 こうなると、相手は自分の心を開いて話しやすくなります。



<聴くスキル(1)>
 〜〜ゼロポジション〜〜

 コーチングはアメリカで生まれたものなので、いろいろな用語が英語になっています。
 ゼロポジションとは、ゼロの状態、何もない状態、まったく中立な状態という感じだと思います。

 ゼロポジションを実現するためのスキルがいくつかあります。

 (1) 相手のことや会話の内容について、できるだけ事前に先入観を持たずに聴く。
 (2) 相手がしゃべっている間、できるだけ自分の思考を抑えるようにする。評価しない。自己解釈しない。
 (3) 相手が話している間は口を挟まない。特に相手の最後の言葉までしっかり聴くことを自分に義務づける。
 (4) 否定的な接続詞を使わない。「でも」「しかし」「だけど」などを極力排除する。
 (5) 沈黙が訪れても、自分からは話さない。できるだけ待つ。沈黙は相手が話すことを考えるための貴重な時間。
 (6) 自分の話に取り込まない。自分が話し手になろうとしない。


 少し補足します。

 (2) について
 私たちは、人の話を聞く時に、「あなたの考えはおかしい」とか「こうすればうまくいくのに」とか考えながら聞いてしまいがちだと思います。
 コーチング流の「聴く」では、相手の話をできるだけ正確に聞き取ることに集中して、聴きながら自分の評価を考えたりしないようにします。

 (6) について
 私たちは、人の話を聞いた時に「わかる。わかる。私も似たようなことを体験したんですよ。私の場合はこんなこんなで・・・」のように、相手の話を聴くはずが、気づいてみたら自分がしゃべってばっかりとかいうふうになりがちです。
 こんな状態だと、相手は、「この人にしゃべっても無駄。」と感じるようになり、話すことをやめてしまいます。こうなると問題の解決にも関係を深めることにもつながりません。

 人は、悩みや苦しみを持っていても、相手がゼロポジションの聴き方をしてくれたら、それだけで、悩みや苦しみが軽くなったりするのです。



<メディカル・サポート・コーチングの3大コアスキル>

 (1)聴く

 良いコミュニケーションのためには、まず相手の話をよく聞くことが大切です。


 (2)質問する

 相手自身すら気づいていない思いや整理できていない考えを引き出していくことが目的です。


 (3)伝える

 こちらから、意見、アドバイス、提案をどのように伝えるのが効果的かということです。



 人は、相手が自分の話をよく聞いてくれる時には、相手の話にも耳を傾けてみようかと思えるようになるもののようです。
 よく「傾聴」という言葉を聞きますが、これから紹介する「聴く」スキルは、傾聴に通ずるものです。
 みなさんも、まず人の話をしっかり聴ける人になってみてください。
 必ず人間関係が改善していきます。



 この会は市立川西病院が主催している勉強会です。
 今回の講師は淀川キリスト教病院緩和医療内科主任部長の池永昌之先生でした。
 講演のタイトルは「あなたが大切にしていることを、医療や介護でも大切にしていくために」でした。
 中心の話題はACP(アドバンス・ケア・プランニング)でした。

 ACPについては、先日も勉強会に行ってきました。

 今日も、具体的、実践的なお話があり、勉強になりました。

 いよいよ、こひつじクリニックでもACPを意識した取り組みを始めていきたいと考えています。

 患者さんの価値観、人生観、希望をあらかじめできるだけお聞きしておいて、実際の医療や介護において、それが実現していくようにするのです。
 そのための具体的手順としては

 (1)代理決定者を明確にする。
 代理決定者とは、患者様の病状が進行してはっきり意思表示ができなくなった時に、患者様に代わって、患者様の希望を推定して、意思表示をする役割の人です。この人は、患者様の価値観をよく知っている必要があります。

 (2)患者様、代理決定者、医療スタッフが顔を合わせて、患者様の価値観や希望について語り合う。
 予定を組んで、集まって話をするという場合もあるでしょうし、日常の診療の中で、ざっくばらんに語り合うという場合もあると思います。
 ざっくばらんに語り合う場合でも、ACPを意識して、ポイントをおさえて、記録をしていく必要があります。
 うちのクリニックの場合は、1回で仕上げるというよりは、何回かに分けて徐々に仕上げていく形がいいのかも知れません。

 (3)1回決めたらそれで終わりではなく、時々、気持ちや意志に変化がないか、確認する。



 今日の勉強会では、もしバナゲームというものが紹介されました。
 一種のカードゲームです。
 患者様自身が、自分が何を大切にしたいと思っているのか、考え、整理するために、有効で便利なツールだと思いました。これも取り入れてみようと考えています。

↑このページのトップヘ